今回は、私たちの自社倉庫で行った「遮熱シート」の試験施工について、その効果を検証した結果を皆さまにご報告します。

近年、夏の猛暑対策や省エネ意識の高まりから、遮熱への関心が高まっています。私たちも、労働環境改善や空調負荷の低減を目指し、このたび自社倉庫で遮熱シートを試験施工し、その効果に注目しました。

試験概要

今回の試験施工の詳細は以下の通りです。

  • 場所: 自社倉庫の天井面の一部
  • 使用した遮熱シート: 厚さ0.2mmのアルミシート
  • 検証方法:
    • 遮熱シートを施工した箇所と未施工の箇所を比較
    • サーモグラフィーカメラによる表面温度の可視化
    • 放射温度計による具体的な数値測定
  • 試験日: 5月某日(快晴)
  • 外気温: 約20℃

検証スタート!遮熱シートの実力は?

早速、試験当日の測定結果を見ていきましょう。

測定は、日差しが最も強くなる時間帯に行いました。

天井表面温度の比較

まず、サーモグラフィーカメラで天井面の温度分布を確認しました。

[サーモグラフィーカメラで撮影した天井面の画像(遮熱ありとなしが比較できるもの)]

一目瞭然ですね!遮熱シートを施工した部分は青色に近いのに対し、未施工の部分は赤や黄色で表示されており、明らかに温度差があることが分かります。

次に、放射温度計で具体的な数値を測定しました。

  • 遮熱シート施工部分の天井表面温度: 21℃
  • 遮熱シート未施工部分の天井表面温度: 33℃

なんと、その差は12℃! 遮熱シートが太陽光の熱を反射し、天井面の温度上昇を大幅に抑制していることが確認できました。

室温への影響は?

気になるのは、天井表面温度の低下が、倉庫内の室温にどれだけ影響を与えるかという点です。

今回の測定では、遮熱シート施工エリアと未施工エリアの室温を比較しましたが、現時点では、室温に大きな差は見られませんでした。

これは、以下の要因が考えられます。

  • 試験施工の面積が倉庫全体に対してまだ小さいこと
  • 測定当日の外気温が比較的低かったこと
  • 倉庫の容積が大きく、天井からの熱だけで室温全体が大きく変動するには時間がかかること

まとめと今後の期待

今回の試験施工では、遮熱シートが天井面の温度上昇を抑える効果は絶大であることが実証されました。表面温度で12℃もの差が出たことは、大きな成果と言えるでしょう。

室温への影響については、今回は顕著な変化は見られませんでしたが、これはあくまで短期間・限定的な範囲での試験結果です。今後、より広範囲に遮熱シートを施工したり、夏本番のさらに厳しい条件下で検証を重ねたりすることで、室温低下への効果も期待できると考えています。

私たちは、今回の結果を踏まえ、本格的な導入を検討していく予定です。遮熱対策は、作業環境の改善だけでなく、空調コストの削減、ひいてはCO2排出量の削減にも繋がる重要な取り組みです。

今後の進捗についても、またご報告させていただきますので、どうぞご期待ください!

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