現場から見上げた空 ~青森市森林博物館の屋根より~
株式会社成文組で、現在「青森市森林博物館」の改修工事の現場代理人を務めております。
歴史あるこの建物の工事に携われること、そして弊社の創業者である成田文吉が明治41年に建築したこの場所で仕事ができることに、日々、身の引き締まる思いです。
さて、現場での仕事は安全第一で常に緊張感がありますが、そんな中で私だけが見ることのできる、特別なご褒美のような景色があります。
それは、この青森市森林博物館の屋根から一望する風景です。
朝。 まだ静けさに包まれた青森の街が、ゆっくりと目覚め始めます。東の空が徐々に白み始め、やがて力強い朝日が街を照らし出す瞬間は、一日の始まりを告げる神聖な儀式のようです。この光を浴びると、「今日も一日、安全に頑張ろう」と、自然と力が湧いてきます。
夕暮れ時。 無事に一日の作業を終え、夕日に染まる街並みを見下ろす時間は、何物にも代えがたい達成感に満たされます。遠くには津軽の山々のシルエットが浮かび上がり、その美しさに思わず息をのみます。
秋の空。 そして、高く澄み渡る秋の空には、さまざまな表情の雲が浮かびます。刷毛で描いたような繊細な雲、羊の群れのように連なる雲。地上から見上げるのとは全く違う、手が届きそうなほどの近さで流れていく雲を眺めていると、時の経つのも忘れてしまいます。
これらの景色は、この工事に携わる今の私にしか見ることのできない、いわば”役得”です。
創業者がこの建物を建てた時も、同じようにこの場所から青森の空を眺めたのだろうか。そんなふうに、明治の時代に思いを馳せることもあります。
この特別な景色に出会えることに感謝し、この素晴らしい建物を未来へ繋ぐため、安全第一で工事を進めてまいります。
近くにお越しの際は、直接屋根からの景色をお見せすることはできませんが、美しく生まれ変わる青森市森林博物館の姿を楽しみにお待ちいただければ幸いです。
株式会社成文組 青森市森林博物館 改修工事担当 現場代理人




