暑い夏、工事現場の仮設プレハブ事務所はまさにサウナ状態。

ご自宅の2階がムンムンするような経験がある方も多いのではないでしょうか?

そんな酷暑から少しでも快適に過ごすためのヒントを、熱移動の原理に基づいてご紹介します。特に、住環境に大きな影響を与える「放射」に焦点を当て、具体的な対策をお話していきます。

熱移動の3原則と住環境への影響

熱は、温度の高い方から低い方へ移動します。この熱の移動には、主に3つの方法があります。

  • 伝導: 物質を介して熱が移動する現象です。(例:熱いフライパンに触れると熱いと感じる)
  • 対流: 流体(液体や気体)が移動することで熱が移動する現象です。(例:お湯を沸かすと、対流によってお湯全体が温まる)
  • 放射: 物体から電磁波の形で熱エネルギーが放出される現象です。(例:太陽の熱が地球に届く)

このうち、私たちの住環境に最も大きな影響を与えるのが「放射」です。建物に侵入する熱のおよそ70%が放射によるものと言われています。

なぜ放射がここまで影響が大きいのでしょうか?

それは、放射は物質を介さずに空気を飛び越えて熱を伝えることができるからです。太陽の光が屋根や外壁などに吸収され熱エネルギーとして変換されたり、窓ガラスを透過して室内を温めるのも、放射によるものです。

今回は、熱移動の3原則の中でも、住環境に最も影響を与える「放射」について解説しました。

次回の記事では、この放射熱に対してどのような対策が有効なのか、具体的な方法を詳しくご紹介します。

PAGE TOP