先日10月4日と5日、私たちが修繕工事に携わっている森林博物館が、華やかな秋のお祭りに包まれました。「りんご西洋館」と名付けられたイベントには、本当に多くの方々が訪れ、楽しそうな声が響き渡っていました。

工事用の足場の向こうから聞こえてくる賑やかな声。それは、この建物がどれだけ多くの人に愛されているかを改めて感じさせてくれる、私たちにとって何よりの励みです。

私たちは今、3期にわたる工事計画の2期目として、建物の「顔」である正面アプローチの修繕を進めています。

古い建物を前にした時、私たちの仕事は、単に「新しくする」ことだけではありません。長年の雨風が刻んだ跡、陽の光を浴びてきた壁の色、その一つひとつが持つ「記憶」に敬意を払い、未来へと繋いでいく。そんな対話のような作業です。

「経年劣化の姿も、それ自体が美しい」。本当にその通りだと思います。 その上で、私たちが目指すのは、その歴史の美しさを大切に受け継ぎながら、これからも永く愛され続けるための「新しい強さと美しさ」を吹き込むこと。屋根や外壁がリニューアルされ、凛とした空気をまとい始めた建物の姿に、その手応えを感じています。

工事中はご不便をおかけしていますが、足場が外れ、この歴史ある建物が新しい表情を見せるその日を、私たちと一緒に楽しみにお待ちいただけたら幸いです。

この仕事が、建物の新たな1ページになることを願って。

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