街の喧騒が過ぎ、ここ青森では、深い秋の気配が満ちています。

森林博物館の木々が、今、一年で最も鮮やかな衣装を纏い、訪れる人々の目を奪っています。

とりわけ、黄昏時。 西日がその角度を変え、木々を黄金色に染め上げる「ゴールデンタイム」。一枚一枚の葉が透け、まるでそれ自体が発光しているかのような幽玄な美しさには、思わず時を忘れます。

また、雨上がりの情景も格別です。 しっとりと湿度を帯びた空気が、赤や黄の色彩を一層深く、鮮やかに際立たせる。濡れた落葉の絨毯が、辺りに静かな情趣を添えています。


この類稀なる美景の傍らで、私たち株式会社成文組が夏の日差しの中で着手した修繕工事も、静かにフィナーレを迎えようとしています。

汗が光った酷暑の日々が、まるで遠い記憶のよう。 今は、凛とした秋の空気の中、この鮮やかな紅葉に背中を押されるように、職人たちが最後の仕上げに集中しています。

夏から秋へ、そして間もなく訪れる冬へ。

季節がその装いをゆっくりと変えていく機微を、これほど肌で感じられるのは、現場に立つ者の特権かもしれません。

一つの仕事が完成に向かう安堵と、過ぎゆく季節への一抹の郷愁。

日々刻々と表情を変える自然の奥深さ、そして、それに応えるかのように着実に進んでいく現場の確かな手応え。

この二つが織りなす「今、この瞬間」を、 誰よりも深く味わい、楽しんでいるのは、紛れもなく私自身なのでしょう。

残る作業も、一つ一つ丁寧に。 冬の足音が聞こえ始める中、成文組は最後まで真摯に仕事と向き合ってまいります。

皆様も、どうかこの美しい秋を、心ゆくまでご堪能ください。

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